電気設備は水道やガスなどと共にたいせつなインフラであって、現代生活にはどれひとつも欠かすことができないものです。
建築物や一般住宅では高圧や低圧で電力を受電し、受変電設備や配電盤を経由し機器に電力の供給がなされます。電力はケーブルや電線によって供給され、階や系統や利用種別により経路を分けて配線されています。竣工後に故障が発生した場合や停電になった際に、こうした系統がネームプレートで明確な表示がなされていると、迅速な対応が可能になります。ネームプレートは電気設備技術基準での設置義務はないのですが、電気設備標準仕様書や施工監理指針において、ネームプレートなどを用いて配線系統を明確にすることが載っています。
工事を施工する電気工事士や現場の監理や監督を行う主任技術者は、ネームプレートの必要性や重要性を認識することが求められます。系統表示を明確にしておくことで、故障や停電の発生時や大規模な設備改修工事において、原因究明や現状把握などの対応を迅速に行うことができます。ネームプレートは、紫外線などによる劣化や変形にも強いステンレス製や樹脂製であることが推奨されています。
記述された文字が、紫外線などによって短期間で消えるようなことがないエッチング処理を施したプレートは、竣工後の現場調査やメンテナンス時にすぐに文字認識がなされます。油性ペンなどでの記述では、紫外線や風雨によって塗料が変化や劣化をして認識できなくなることがあります。大切なインフラである電気は、このような先を見越した施工方法やと現場監理による配慮で、長期間にわたり安定して使用をすることが可能となっています。